涼しくなってくると、わたしたち日本人は温泉が恋しくなって
きますよね。そこで今回は日本三名泉のひとつである群馬県の草津温泉を
訪ねてみましょう。草津温泉は群馬県吾妻郡草津町の標高1,200m
の高原にあり、温泉街のある温泉地としては日本屈指の高所にある温泉と
言えます。ちなみに三名泉とは江戸初期の儒学者林羅山による選定と言われ、
ほかに兵庫県の有馬温泉と岐阜県の下呂温泉が名を連ねています。同じよう
なベストスリーには三大温泉(熱海・白浜・別府)、三古湯(道後・有馬・白浜)
などいくつもありますが、すべてに顔を出す温泉はありません。日本人の
絶妙なバランス感覚ゆえなのでしょうか。
草津温泉の泉質は基本的に酸性泉で、源泉によっては硫黄泉もあるのですが
いずれにしても強酸性のため皮膚病・神経痛・糖尿病に適応すると言われて
います。また源泉は大きなものが6つ、小さなものは数多く存在していますが
いずれも湧出量は豊富で、しかも泉温が50度から90度と高いのが特徴です。
中で最も規模が大きく有名なのは湯畑(ゆばたけ)です。湯畑とは源泉を地表や
木製の樋(とい)にかけ流して温泉の成分である湯の花を採取したり、湯温を
調節したりする施設を示す普通名詞なのですが、湯畑と言えば草津、と固有名詞化
しているほど有名な存在となっています。温泉街の真ん中に鎮座し7本の木樋が並ぶ壮観は
まさに草津のシンボルで、「源泉かけ流し」とはこのことだ!と教えてくれます。
湯畑は夜はライトアップされて熱いお湯から立ち上る湯気が光に浮かび上がる
光景は草津ならではの温泉情緒を醸し出しています。また湯畑に隣接してある
「熱の湯」ではこれも草津独特の泉温調節法である「湯もみ」を草津節とともに
楽しめるショーが実演されています。600円で楽しめますので是非ご覧ください。
草津では各旅館やホテルの内湯とは別に、湯の町情緒あふれる共同浴場が
数多く点在しています。中でも源頼朝が入浴したという伝説に彩られた白旗の湯は
湯畑前にあることからいつも混んでいますが、内部は懐かしい木造り感あふれる
浴室です。ちなみに入浴無料!
草津を訪れて少し時間があるならお薦めなのが草津片岡鶴太郎美術館です。
俳優の片岡鶴太郎氏の、余技とは言えぬほどの見事な絵画や工芸の作品を展示した
個人美術館。草津ホテルに併設されているので同ホテルの宿泊客には入場料金の
割引があります。
さて草津へのアクセスですが東京からは高速バスが断然便利でリーズナブルです。
バスタ新宿から約4時間、3,300円。早期割引だとなんと2,570円で乗れます!
LCCや航空各社の早期割引と組み合わせれば、関東圏以外からも「草津の湯」を手軽に
楽しむことができます。