旅好きの方なら空港の滑走路の両端に大きな数字が描かれていることをご存じの
ことと思う。ではあの数字は何を意味しているのか?両端の数字の間にはどの空港に
も共通するある方程式がある。それは・・・ ひとつの滑走路にあるふたつの数字。
大きい方から小さな方を引くと必ず答えは18になる。申し訳ない。これではヒント
にもなりませんね。

あの数字は磁方位を2桁で表わしている、というのが正しい答えである。つまり
真北が360°(=0°)として36。以下時計まわりに真東は90°なので09。
真南180°で18、真西270°は27となる。ここからは文章で説明するのが
少し難しくなるので新千歳空港を例にとって説明してみよう。

  B滑走路(着陸用) 19L ――――――――――――01R
←北                       南
  A滑走路(離陸用) 19R ――――――――――――01L
      

新千歳空港には3,000m滑走路2本がほぼ南北方向に並行して設置されており、
RとLで左右を区別している。離着陸に際して航空機は風に逆らって滑走する。また
同空港では原則として離陸をA滑走路、着陸はB滑走路を使用することになっている。
例えば冬期間には北風が卓越するので羽田へ向かう出発便はA滑走路を図で言えば
01Lから滑走を始めて19Rへ向けて離陸し、すぐ180°右旋回して南へ向かう。羽田
からの到着便は苫小牧市上空から内陸に入り、ストレートに01Rから着陸する。南風が
多い夏季には、羽田行は19Rから滑走をはじめ01Lに向かって離陸、そのままストレート
にグングン高度を上げて行く。一方到着便は苫小牧市より遥かに東の地点から内陸に
入り大きく左旋回をしながら空港の北側を回り込んで19Lから着陸する。

説明の後先が逆になってしまったが、数字を背にして滑走路に立てば、その正面が今
背にしている数字が示す方位、ということである。01は磁方位10°で北北東向き、
その反対の19は磁方位190°で南南西向きとなる。当たり前だが滑走路は直線
なので前と後ろでは180°違うので、最初に紹介した方程式!?が成り立つというわけ
である。尚この滑走路番号の様式は万国共通となっている。